ダービー。バトルオブ九州。
基本的にダービーマッチはまず都市単位や州単位による地理的な要因によって発生し、その上に様々な特性が加わりながら次第に両者の間に敵対心が芽生え始めてダービーマッチへと発展する。
ずっと佐賀県でサガン鳥栖を応援している方々にはきっと様々な遺恨があり思いも強いのでしょうが、編集長的には38試合の中の1試合といった位置付けである。
ただ、しょーもない事が起きていたのはいくつかの記事やSNSで目にした。
今回はアビスパ福岡側が悪いでしょう。
どう考えても。
まあ、一部の人なんだけども...。
スターティングイレブン
怪我の松岡がベンチ外になった影響で島川がメンバー入り。
林が外れ、本田が2トップの一角に入りました。
一方、アビスパ福岡は、ファンマ、ブルーノといった前線のメンバーがベンチ外です。
金森、宮はスタメン。
さあ どうなるか見てみよう!
時系列レビュー
キックオフ〜様子見の序盤
アビスパ福岡の攻撃配置
アビスパ福岡はつなぐ意識はほぼなく、割り切って2トップ目がけてロングボールを蹴ってくる。
2トップが納めた時のフォロー、セカンドボールの回収の為、SHをすぐそばに配置。4-2-2-2のような形で数的有利を作っていた。
1分には、朴のゴールキックを回収した後に、この形の優位性を活かしショートパスを繋いで金森が持ち出しファールをゲット。
ポストとしては山岸がかなり機能して起点になっていた。
鳥栖は福岡がボールを蹴ってくるのでいつものような前プレはなく前線は2枚。
小屋松が状況を見て最終ラインに入ったり、1列前にいたりと、4-3-2+小屋松笑とも言えるような配置だった。
サガン鳥栖の攻撃配置
福岡は4-4-2で前から積極的にプレスをかけてきた。
鳥栖は図のように人を配置する形。
島川、仙頭、樋口が状況に応じて動きビルドアップの出口に小屋松、本田(樋口)を置く。位置的、数的優位を確保するのが狙い。
4分、10分辺りはまさに狙い通りの形。
序盤は特に樋口の気のきいたポジショニングや、ボール捌きが目立っていたが、福岡のプレスがよく、朴が蹴ったボールを回収されやや福岡ペースに。
14分 こぼれ球をキープした樋口が逆サイドの飯野に大きく展開。
仙頭→樋口と繋いでファールをゲット。
エドゥアルドの虚をつくフリーキックもキーパーに弾かれる。
鳥栖が徐々に勢いを取り戻してきた。
バイタルエリアを狙え!
17分 エドゥ→島川→小屋松と繋ぎボールを前進させ仙頭の縦パス!(縦パスフェチの編集長歓喜)、バイタルで受けた本田から山下のシュート!
ゴールは枠を捉えられず。いい形です。
金監督はバイタルに本田を配置する為に林を外してまで本田をスタメンに起用したのかもしれません。
19分の形はまさにこの狙いが現れています。
4-4の綺麗でコンパクトなブロックを構築した福岡。
仙頭が持ち上がり中野に縦パスを入れるシーンですが、バイタルエリアに中野と本田。2CB間に山下。
小屋松に展開し、その後仙頭とのワンツーでペナルティエリア内に切れ込むこのシーンには金監督の意図が表れていました。
また、大きなサイドチェンジを試みる場面が多く見られたのも今節の特徴。
中締めなら大外ですね。
バイタル&サイドチェンジでGO!
シュート数 鳥栖2 福岡2
パス数 鳥栖160 福岡72
鳥栖メーター 50%
26分〜つなぐトス、蹴る福岡
飲水タイム。
繋ぐ鳥栖、蹴る福岡
という構図がより明確になった。
この時間帯に最終ライン、ゴールキックから福岡がボールを繋いできた数はなんと0。
かなり割り切った戦術。
鳥栖のビルドアップもスムーズに。松岡ほど個で剥がせる能力はないが島川の的確なチラシが効いていた。
26分島川の的確なチラシから本田→飯野が仕掛けてクロスこぼれ球を山下→先頭→中野と繋いでコーナキックゲット。
28分ソッコのフィードを山下が上手く納め飯野。仙頭につなぎそのままシュート!ボールが本田の前にこぼれるも福岡クリア。
33分も同じような形(ソッコ、山下ポスト、飯野仕掛けてコーナーキックげと)。
34分 島川がよく飯野を見ていた!超ロングフィードで飯野に渡しそのまま切り込みシュート!
35分 守備で右サイドに残っていた小屋松が右サイドを裏に抜け出し樋口のフィードもオフサイド。
飯野が機能し右サイドからアタッキングサードに迫ります。。
42分にはカウンターで金森が持ち上がるが、ここは島川が早めにファールで潰した。
前半終了。
枠内/シュート数 鳥栖4/6(+4) 福岡0/2
パス数 鳥栖367(87%) 福岡108(56%)
鳥栖メーター 70%
45分〜アビスパ福岡の出口封鎖
後半開始。
さっそくロングボールをラフに入れてくる福岡。
若干守備に修正を加えてきた。
山岸、前が1列下がり4-1-4-1のような形で右の出口閉鎖。樋口を抑えてきた。
だが、これは鳥栖を抑え込むには至らず。
47分 ソッコが縦にビシっと!
バイタルで構える本田、小屋松と繋いで山下に渡るがシュートには至らず。
クリアボールもエドゥが回収し仙頭→山下→小屋松と繋げファールげと。
さっそくいい形を見せた。
52分 前からくる福岡。エドゥのパスがずれ、ショートカウンター発動!
石津がそのまま持ち運びパス、三國スルーから金森が持ち込みシュート!
やや崩されたシーンだった。
54分 フリーキックからボールを持ったサロモンソンのロングフィードを右サイド深くで山岸がキープ。金森へ繋ぎクロス。これはソッコがクリア。
金監督は55分、ビースト林を投入。
流れはやや福岡に傾きゴール前に迫るシーンも増えたが、決定機は作れず。
長谷部監督「もう少し修正が必要か...。」
60分 MF田邊イン。FW三國アウト。
重廣、前のポジションを状況に応じて動かし、鳥栖のビルドアップの出口封鎖と同時にキーマンである仙頭に強く人を当ててきた。
鳥栖のビルドアップをセンターラインから前でハメに行く作戦。
対する鳥栖はキックの正確さには定評のある最終ラインからのロングフィードで対抗。
やや不調なエドゥに代わり、ソッコ、朴が一枚飛ばしてロングフィード。
福岡中締めの4-4ラインのサイドで浮いている中野を狙った。
福岡はカウエ、吉岡イン。
すると、67分。
早くアシスト付けれるように、また頑張ります!💪 https://t.co/xelzNsHOaX
— 飯野 七聖 / iino nanasei (@nanasei__7) March 21, 2021
島川から飯野。飯野はダイレクトボレーで折り返し飛び込んできたふうちのヘディングでゴール!
に見えたが残念ながらオフサイド。
見知らぬ事情通「飯野!こりゃ審判も特別芸術点でオフサイド取り消しやでーーーーーー!!!!」
シュート数 鳥栖9(+3) 福岡3(+1)
パス数 鳥栖546 福岡178
鳥栖メーター 70%
70分〜Is this confusion?
飲水タイム。
福岡は配置を4-4-2に戻しマンマーク気味に当たってきた。
福岡の攻撃回数が増加。
それでもゲームをコントロールしていた鳥栖だったが、80分過ぎからは福岡が作ったカオスに巻き込まれオープンで大味な展開になってしまった...。
(前節終盤同様...。)
81分 カイセーイン
90分にはエドゥの縦パスをカットしたDFのロングフィードに重廣が抜け出す。
福岡最大のチャンスだったがそれまで守備に奮闘していた重廣に体力は残っておらず、パスは力なくソッコに。
91分にはU24日本代表FW林が一人、気を吐きサイドでグローリを強引に剥がしに行く。
ペナルティエリア手前で倒され、ファールげと。
倒れた後もボールを追う姿に野獣魂を見た...。
大畑イン。
仙頭のフリーキックは枠を外れ、試合終了。
枠内/シュート数 鳥栖11/16(+7) 福岡1/7(+5)
パス数 鳥栖688(86%) 福岡265(67%)
鳥栖メーター 50%
繋ぐ鳥栖VS蹴る福岡。
5年振りのバトルオブ九州はスコアレスドローで終わりました。
前半の25分から後半の70分くらいまでの押し込んでいる時間に点が欲しかったです。
終盤に相手がカオスを構築してきた時に落ち着かせられる選手が欲しいところ。
見知らぬ事情通「梁がおるで!」
今日のMVP
見事、松岡の代役を果たして的確な配球をした島川に!
カイセー選手は出場時間が短いため採点なし