絶対王者川崎。
今期もここまで、8戦7勝1分、得失点差17と圧倒的な強さを見せて首位に立っている。
一方のサガン鳥栖は前節、遂にセレッソ大阪に敗戦。無失点、無敗の記録も途絶えた。
記録を意識してやや固くなってしまい低調だった前節。
その重圧から解き放たれて選手も新たな気持ちで王者との一戦に望む事であろう。
編集長も観戦仲間と共にスタジアムで観戦してきた。
今日はここから pic.twitter.com/HzK7YHM8vW
— サガンティスタ編集長@サガン鳥栖 (@sagantista) April 7, 2021
スターティングイレブン
川崎フロンターレは前節怪我の情報もある旗手に変わり田中。
両ウイングを変えて小林、長谷川がスタメン。
三笘、家長がベンチに控えているという豪華さ。
そして、サガン鳥栖はスタメンをいじってきた。
ソッコが出場停止で田代は想定内。
だが酒井、本田、樋口、島川がスタメン。林、山下、飯野が外れた。
特に、島川と松岡。
この二人がスタメンで同時起用されるのは初めての事。
さあ どうなるかみてみよう!
時系列レビュー
キックオフ!〜準備した新たな形。だが...
サガン鳥栖の保持時配置
絶対王者川崎フロンターレに対して鳥栖が準備してきた形は3-4-1-2。
島川、松岡を2ボランチにして中野は右CB。
樋口が飯野の位置に入った。
いつもの左からゲームを作る形ではなく右から崩していくのが狙いか。
ビルドアップ時の配置は2-4-2-2。
いつもより重心を下げ、後方の人数を増やした。
川崎のハイプレスの逃げどころとして前線には高さのある酒井を配置。
セカンドボールの回収は本田、仙頭、小屋松、樋口が担う。
サガン鳥栖の非保持時配置
守備では3-4-1-2のセット。
前線からマンツーマン気味にかなりタイトなプレスをかけていく。
これは今までにみられない形だった。
サガン鳥栖のデフェンスポジションを当てはめてみると川崎のポジションにピッタリとハマる形に。
金監督の頭の中には去年、マンツーマンのプレスで川崎を2-0で倒したコンサドーレ札幌のイメージがあったのかもしれない。
撤退時は4-3-2+小屋松。
...と言いたいところだが今節は5-3-2の形が多かった。
1分 さっそく鳥栖のマンツーマンプレスを川崎が剥がしにかかる。
出鼻を挫かれるサガン鳥栖。
2分 仙頭からボールを奪った長谷川がダミアンとのワンツーで一気に持ち出し右サイド、小屋松の裏で空いている小林に展開。小林のクロスは戻った中野がカット。ダミアンのファールに。
3分 センターサークル付近でボールをコントロールできない樋口から田中がカット。またしてもフリーの小林に。シュートは枠外。
6分 田代→松岡のパスがずれたところを長谷川が回収し近くの脇坂にパス。逆サイドデフェンス裏に抜けた小林に合わせる。
キーパーと1対1になる局面も朴の素早い飛び出しで難を逃れたが早くも決定機を作られてしまう。
7分 樋口のクリアミスを長谷川に拾われ川崎得意の3枚の連携によるサイド崩しから脇坂がクロスもここはエドゥが跳ね返した。
序盤2-4-2-2の形でビルドアップする鳥栖だったが、川崎の前プレでロングボール蹴らされていた。
ようやく9分には島川→松岡→中野と繋ぎ、狙いとする右サイドからボールを運べた。
すると10分 エドゥがボールを持つとシミッチが松岡をみる形になり島川がフリーになった。
鳥栖としては9分、10分のような形を増やしたかったのだが、結果としてはロングボールを蹴らされる(後半からは意図的にける)形が多く、川崎に押し込まれる要因となってしまった。
13分 またしても小屋松の裏。前半の川崎はここを狙ってきた。
田中→小林→長谷川ヘディングも大きく枠をそれる。
見知らぬ事情通 「小屋松の負担が大き過ぎるんや...。大丈夫か小屋松...。」
17分 朴のロングフィードこぼれを仙頭が拾いそのままシュートまで持ち込んだ(正面じゃなかった!)。
その後、川崎の13番がなにやら不思議な動きをみせ始めた頃に、島川がベンチに×のサインを出した模様。
松岡が積極的に縦を狙うもゴールには迫れず、島川負傷で繰り上げの飲水タイムに。
鳥栖のマンマークプレスは川崎に対してあまり効果を発揮せずにほとんどの時間押し込まれている苦しい展開が続いた。
シュート数 鳥栖1/2 川崎1/3
パス数 DZANスタッツなし
決定機 鳥栖0 川崎1(決定機は編集長が独自の基準でカウント。ゴールに迫った数を集計。)
鳥栖メーター 30%
23分〜サイドバック山根劇場
飲水タイム。
負傷した島川に変わり、中野嘉イン。
右ウイングハーフの位置に。樋口がボランチに降りた。
24分 朴のロングフィードを酒井が落とし仙頭→サイド深くの小屋松→樋口と繋がりシュートも枠を外れる。ロングならまさにこういう形を狙いたい。
27分 川崎は右サイドの中野コンビのパス交換をカットしダミアン→右サイド小林からのクロスはフリーの田中に。
決まったかと思われたゴールもここに松岡神降臨!
ギリギリのところでなんとかピンチをしのいだ。
31分 ここから山根劇場が幕を開ける。左サイドからCBを経て攻撃をやり直した川崎。シミッチの縦パスを受けたのは山根。
その後小林の折り返しを受け、ペナルティエリア付近でシュートを狙い松岡にファールしたのも山根だった。
35分 ジェジエウのスルーパスに反応したのも山根。これは田代がカット。
36分 左サイドで谷口のスルーパスで最終ラインの裏狙いの結果オフサイドも山根。
38分 川崎の細かい繋ぎを最終的にペナルティエリア角から折り返したのも山根。
40分 登里→長谷川で左サイドを突破しダミアンフリーも外す(山根は絡んでない)。
そして42分 なんとか田代がクリアした決定機がこの図
いや、これなんかおかしいでしょ笑
サガン鳥栖は松岡の高い縦の意識→本田ラインで繋ごうとするがゴールには迫れず、ロングボールを蹴らされる展開。
仙頭、小屋松はボールを持って抜けると3枚を当てられる徹底した川崎のディフェンス。
決定機は作れなかった。
シュート数 鳥栖3/6(+4) 川崎2/5(+2)
パス数 鳥栖291(82%) 川崎284(80%)
決定機 鳥栖0 川崎3(+2)(決定機は編集長が独自の基準でカウント。ゴールに迫った数を集計。)
鳥栖メーター 40%
45分〜流れを引き寄せるも...田代退場
前半は蹴らされる形が多かったロングボールだが後半は意図的にロングボール大作戦を決行したサガン鳥栖。
だが、これが流れを引き寄せる。
開始早々に長谷川の突破からダミアン経由で右サイドを崩されかけたが
48分 朴のロングボールのセカンドボールを中野伸が回収→松岡→樋口→先頭と繋ぎ小屋松へ。先頭とのワンツーから本田に合わせるもトラップが大きくなりゴールラインを割った。
52分 田代のロングフィードに酒井が競りあい中野嘉へ。右サイドを走る本田へ縦パス。切り込んだ本田から仙頭のシュートも川崎がブロック。
54分 朴からロングパスが本田に繋がり仕掛けてコーナキックげと。
55分 松岡のロングフィードのセカンドボールを中野嘉が拾いそこから左右に展開。
最終的には樋口のクロスをクリアされてしまい、抜け出したダミアンを田代が手で倒してしまいDOGSOで一発レッド...。
現地で見ていた時は位置的な事もあり
などと思ってしまったのだが、映像で見直したらまあ妥当な判断なのであろう。
王者川崎に対して一人少ない状況に陥ってしまった。
59分 林、飯野、松本イン。
ルヴァン札幌戦でスタメンだった松本だがこれがJ1デビュー戦となった。
鳥栖は5-3-1のような形。
60分 三笘、遠野イン。
64分川崎は数的優位を活かし得意のポゼッション。左右にボールを散らし、右サイドのシミッチがフリーに。
シミッチからダミアンがスルー。
松本がダミアンに食いついてしまい空いたスペースを遠野に使われてしまった形。
寄せた飯野とエドゥもどちらが行くのか迷ってしまった様子。
田代退場で落ち着かない鳥栖の隙を逃さない先制ゴールは王者川崎が決めた。
67分 中盤のこぼれ球を拾い中野憙が得意のドリブルで抜け出し、ファールげと。
樋口がキッカーの位置に。編集長的には狙って欲しかったが、ファーのエドゥに合わせる形もゴールラインを割ってしまった。
シュート数 鳥栖5/8(+2) 川崎4/7(+2)
パス数 DZANスタッツなし
決定機 鳥栖0 川崎4(+1)(決定機は編集長が独自の基準でカウント。ゴールに迫った数を集計。)
鳥栖メーター 40%
進撃のサガン 絶対王者川崎
ロングボール大作戦継続中の鳥栖に対して数的有利な川崎は細かくボールを繋いでくる形。
70分には三笘が得意のドリブルで左サイドから中央をえぐってきた。
75分 松岡から仙頭へのパスがずれ田中がセンターライン付近でカット。
すぐに前線でフリーの三笘にパスを送る。再びドリブルを開始する三笘はゴール前。
松本 「1失点目...明らかに食いつき過ぎてしまった...。
相手は日本代表...格上の三笘...流石に速い...。
だが...ここは...止める!!!」
抜け出した三笘に身体をぶつけて松本が川崎の決定機を阻止した。
見知らぬ事情通 「松本よ...。ルヴァン杯では散々な出来でさぞ苦しかっただろう....。だがワイは見とったで....。
インカレの準々決勝。当時、関西王者大阪体育大のエースやった林をシャットアウトし、2得点決めたのを...。
若人(と小屋松に)幸あれ!」
山下イン。
フォーメーションは4-3-2
金監督は得失点差を考慮しての1-0での敗戦を良しとはせずにあくまでゴールを狙いにいく。
だが、その意図を嘲笑うかのようにショートパスで繋ぐ川崎フロンターレ。
79分家長、知念イン。
82分 スローインから飯野、エドゥ経由で逆サイド中野クロスも誰にも合わず。
85分 飯野突破試みるも登里カットからゴール前フリーの家長に。
だがここはパギ神!
ゴールを割らせない。
家長は川崎の中で1人だけ異質なプレイヤー。
時間が止まる感じというか…そしてセレッソの清武のように自由に逆サイドまで流れてくる。
鳥栖は
83分 飯野が登里に
86分 樋口が田中に
87分 エドゥが再び田中に捕まりボールを前に運べない。
88分には鳥栖の心臓、松岡が強引に田中を剥がして飯野に繋げるが、ここもまた登里に潰されてしまった。
そして、89分 朴のロングフィードから山下がそらしサイドで林がキープ、飯野の折り返しはファーで、誰にも合わず…
ボールは三笘に渡り、サイドに開いた知念とのワンツーで左サイドを抜け出す。
またしても中でフリーの家長。シュートの勢いはなくここは朴がなんなくボールを弾いた。
90分 車屋イン。
家長は左に流れボールキープし、時間を稼ぎにいく川崎。
94分 樋口のロングボールに山下があわせにいくが、ジェジエウに跳ね返されてしまった。
シュート数 鳥栖5/8 川崎6/10(+3)
パス数 鳥栖486(80%) 川崎588(81%)
決定機 鳥栖0 川崎6(+2)(決定機は編集長が独自の基準でカウント。ゴールに迫った数を集計。)
鳥栖メーター 40%
スタッツ上では互角とも思えるが、独自集計の決定機数は鳥栖0 川崎6。
残念ながら数字以上の差があった。
マンツーマンは機能しなかったが守備はある程度の強度を保っている。
やはり課題は3試合得点なしの攻撃の形という事になるだろう。
今日のMVP
押され気味の展開でも縦を狙い続け、決定機阻止もした松岡に決定。
Where is Kaisei(カイセーは何処に)?
フロンターレサポーターです。
じっくり拝見いたしました。読みやすく分かりやすい内容で、ウィントスくんもかわいかったです。試合を振り返りながら一気に読み終わりました。
鳥栖さんとの全力勝負はとても見ごたえがありました。そして最後まで苦しめられました。すばらしい試合だったと思います。
またの対戦を楽しみにしています!
ありがとうございます! (・ω・)bグッ