J1第12節 徳島ヴォルティス戦。
2018年以来の対戦となるが、過去5試合は4勝1分と相性のいい相手。
徳島ヴォルティスは前節、軽率なミスから柏に1−5と大敗している。
ここは3連勝でいい流れを継続したいところだ。
スターティングイレブン
前節からはのりよしに変えて山下が先発に復帰。
のりよしはベンチ外に。何かあったのだろうか?
ドゥンガ、チコちゃんがベンチ入り。
基本フォーメーションは3-1-4-2。
もはや、今期のサガン鳥栖の基本フォーメーションなど4-4-2でも3-1-4-2でもどうでもいいのだが...。
一方徳島の基本フォーメーションは4-2-3-1。
前節柏戦から5人の選手を入れ替えてきた。
さあ どうなるか見てみよう!
時系列レビュー
鳥栖の非保持時配置
3-2-2-3のような形でビルドアップを試みる徳島に対して、サガン鳥栖は4-2-3+小屋松で対抗。
樋口は徳島のフォーメーションに合わせる形で一列前に配置。
柏レイソルに習って最終ラインから強く当たるかと思っていたが、ベースは前節までと同様にトップのサイド誘導から2列目をトリガーとしてプレスをかける形となった。
小屋松は相手の状況により最終ラインから前線へアップダウンを繰り返すいつもよりさらに重労働を課せられる形に。
見知らぬ事情通 「小屋松...。今回は小屋松だけでなく樋口も大変そうじゃの...。」
撤退時は4-3-2+小屋松。
鳥栖の保持時配置
徳島は4-4-1-1の形。前線の6枚でハイプレス。
バトッキオが松岡へのパスコースを消す形をとっていた。
鳥栖のビルドアップはいつもの2-2-4-2。
キーマンはパギと仙頭。
パギはいつも以上にビルドアップに関与。
ロングボールはパギ。繋ぎなら仙頭がタクトを振るっていた。
キックオフ!〜守備戦、仙頭の立ち位置
最終ラインにはボールを持たせサイド誘導からプレスのギアをあげる鳥栖に対して、前線の6枚でボールホルダーに厳しく寄せる徳島のハイプレス。
バトッキオが鳥栖の心臓松岡を消す立ち位置をとる。
お互い繋ごうとする意図はあるがプレスが良く、ロングボールを蹴らされる守備的な展開となった。
両者共にシュートゼロ。
状況を打開しようとして変化を加える。
14分 徳島はバトッキオが右サイド低い位置をとって低い位置からビルドアップに絡む。一気に宮代めがけてロングフィード。
これは宮代のトラップが乱れて鳥栖ボールとなった。
一方のサガン鳥栖は13分頃から仙頭が中央、右よりのポジショニング。消されている松岡を左に寄せてフリーにすると共に、自ら運ぶ意図が見えた。
17分には松岡でなく仙頭が最終ライン中央に降りる珍しい構図も。
18分 右サイドに寄ってボールを運ぶ仙頭。そこからバイタルの林に縦パスをつけると樋口→松岡→エドゥのロングフィードに合わせた飯野。ヘディングは枠を外れたが、仙頭のポジショニングが効いた形だった。
その後、徳島は岩尾を最終ラインに下げボールを繋げようとするが鳥栖の守備を崩せず。
鳥栖は22分、パギのロングフィードで裏抜けした林がクロスをあげるも合わず。
シュートは飯野の1本のみ。
守備的な固い展開で飲水タイムを迎えた。
シュート 鳥栖1 徳島0
パス 鳥栖125 徳島173
決定機 鳥栖0 徳島0
鳥栖メーター50%
25分〜見えてきたシュートへの道筋
飲水タイム。
27分 徳島コーナーキックのこぼれ球を小西が超ロングシュート。これはパギが正面でキャッチ。
28分 左サイドに降りた宮代がドリブルで2枚のディフェンスを交わし中央に持ち運ぶ。
そこからパスを繋ぎ逆サイドの藤原。切り込んでクロスも鳥栖が跳ね返すがセカンドボールは徳島が回収し、再びボールを回し始める。
徳島のパス回しのリズムが良くなってきた。
30分 林がポストプレーでファールげと。そこから左右にパスを展開し松岡→小屋松→仙頭で中央を崩しにかかる。
仙頭が入れた縦パスを狭いエリアで受けた山下は左足でシュート。これは枠を外れた。
33分 消されていた松岡が最終ライン中央に入りボールを持ち運び樋口ワンタッチ→飯野は合わず。
金監督ハイプレスを指示。小屋松を一列上げる形が増えて、4-3-3のような形で最終ラインへのプレッシャー開始。
38分 上手く身体を入れてファールをもらったのは仙頭。そこからの速いリスタートで小屋松→ソッコ→飯野と右サイドに展開。
飯野のアーリークロスは山下の足元に。うまいコントロールから山下シュート!これも枠外。
山下は積極的にシュートを狙っていく。
43分 徳島のハイプレスで鳥栖のビルドアップが乱れ、仙頭のパスを岩尾がカットそのまま縦につけ宮代に。
またぎフェイントでエドゥを交わした宮代はそのままシュート!枠を外れたがいい形のショートカウンターだった。
DZANがリプレイをしている間にソッコがロングフィード。相手CBが処理ミス。角度のない位置から林のボレー!だがサイドネットに。
ややシュートは増えたがゴールには至らず。
前半終了。
シュート 鳥栖1/4 +3 徳島1/2 +2
パス 鳥栖237 78% 徳島315 86%
決定機 鳥栖0 徳島1(+1)
鳥栖メーター50%
45分〜ベースはあくまでハードワークと立ち位置なんですね、という話
金監督は守備の形を若干修正。
前半は自分のサイドにボールがきた時に上がってくる形だった小屋松を明確に一列前に。
全体的にボールホルダーへの当たりを強くした。
最終ラインの4枚もラインをあげ積極的にプレスに参加する形。
この修正は大いに機能し、サガン鳥栖のペースで試合は進む。
何度もボールを奪う形が見られた。
この形が結実したのは54分。
岩尾が最終ライン中央におり、中央に入ってきた小西へと縦パス。
待ってましたとばかりに中野、松岡が寄せ仙頭がボールを回収。
松岡→樋口とゴールデンラインの繋ぎから山下。
前半から積極的に狙っていた山下は迷うことなく右足を振り抜く。
ディフレクションしたボールはゴールネットに突き刺さった。
59分 カカ、西谷イン。
60分 徳島は前線のプレスの勢いを強めた。
6枚でプレスの徳島に対して鳥栖はパギを加えた3(エドゥ、パギ、ソッコ)−2(仙頭、松岡)の形でビルドアップ(時々中野、小屋松)。
繋ぎは狙うが、無理な時はパギがセイフティーにロングボールをける形。
61分 サガン鳥栖。ボールを運んだ仙頭がバイタルで構える山下に縦パス。
山下→小屋松→林とワンタッチで中央を崩すもここはカカのクリア。
66分 渡井、垣田イン。
メンバーチェンジで巻き返しをはかった徳島だったが鳥栖の守備に苦しみ、
ボールを進められず前線のフォワードにロングボールを蹴るしかなくなっているようだった。
この時間帯は鳥栖のプレスがゲームを支配していた。
シュート 鳥栖3/6 (+2) 徳島1/3 (+1)
決定機 鳥栖1(+1) 徳島1
鳥栖メーター60%
70分〜仙頭の初ゴール
飲水タイム。
鳥栖の優位は変わらず。
73分 鳥栖は左サイド→右サイドと攻撃をやり直し、エドゥのロングフィード。
カカのクリアでコーナーキックに。
するとこのコーナキックからラッキーな形でゴールが生まれた。
🎦 ゴール動画
🏆 明治安田生命J1リーグ 第12節
🆚 鳥栖vs徳島
🔢 2-0
⌚️ 75分
⚽️ 仙頭 啓矢(鳥栖)#Jリーグ#サガン鳥栖vs徳島ヴォルティス
その他の動画はこちら👇https://t.co/JUEMOXumQp pic.twitter.com/BbloCeJ4yf— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) May 1, 2021
鳥栖の攻撃に多大な貢献をしていながらなかなかゴールが生まれなかった仙頭。
どんな形であれ意味のある1点だった。
76分 徳島はカカが鳥栖の2トップの間を通し鈴木にパス。
鈴木→西谷のクロス。
小西のシュートも中野がブロック。
77分 樋口のカットから右サイドでいい崩しを見せるサガン鳥栖。ここは仙頭から飯野へのパスが長くなりゴールラインを割った。
78分 中野F(byくまねこチャンネル)、大畑イン。
徳島 藤田イン。
大畑が小屋松ポジションでの初起用となった。
83分 上福元のロングフィードで抜け出した垣田がパギを抜きゴールに迫るもパギが追いつきキャッチ。やや熱くなるパギ。
そのパギのロングフィードを山下が落とし上ってきた大畑。
大畑が持ち運びグランダーのクロスはゴール前フリーの林。
バックステップからのシュートになりこれは浮いてしまった。
両チーム共にGKからのロングフィードでいいシーンを作る。
84分 相良イン。
鳥栖は3-4-2-1。
今期初めての形だった。
撤退時は4-2-3+大畑。
90分ドゥンガイン。
攻守においてやや中野Fが目立ったが、91分左サイドに流れ中野伸、大畑、小屋松、仙頭と絡んでからの突破のシーンはゴールに繋げて欲しかった。
全体的にサガン鳥栖の守備が機能して、徳島のやりたい事を見事にシャットアウトした試合だったと言えるだろう。
今日のMVP
初ゴールを決めた仙頭...と言いたいところだが、前半から積極的にシュートを狙い見事先制ゴールを決めた山下で。
いつも面白い分析ありがとうございます!
どこが着火点かはともかく、現象としてハイプレスでボランチから狩れる形が作れるのは鳥栖の強みですよねぇ
前半ハマらなかったプレスの立ち位置を試合中に変えれるのはお見事でした!